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2025/02/25 ミコトッキーブログ
田んぼに住む生き物たちの避難場所
前回予告していたとおり、今回は「田んぼの脇にある細長い水たまりの正体」についてお伝えしていきます。
これは「江(え)」と呼ばれるもので、簡単に言えば「田んぼの中に作る水路」です。
田んぼの中に水がない時期でもこの「江」には水が残っているため、水がなくなって住みかを失った生き物たちにとって良い避難場所となるのです。
“なんでわざわざ田んぼの面積を削ってまで「江」を作るの?”
皆さんの心の声が聞こえてきます。
田んぼの面積が減れば当然収獲できるお米の量も減りますから、そう思うのも無理はありません。
「江」を作る理由としては、主に次の2つがあります。
①田んぼに住む生き物の住みかづくりのため。
②田んぼの中の水を排水しやすくするため。
①については先ほど説明したとおりで、「江」は田んぼの中に水がない時期の避難場所として役立つので、生物多様性を守りたいと考えている農家さんはこの理由で「江」を作ります。
続いて②について。
お米を作る過程で、田植え後に田んぼの中の水を全部抜いて土を乾かす「中干し(なかぼし)」と呼ばれる作業を行います。
立地的に水が抜けにくい地域があり、そういった地域では田んぼの中の水を排水しやすくするために「江」を作っています。
農家さんが自身のためにやっていることが、結果として田んぼに住む生き物たちにも良い影響を与えている、ということですね。
👆は昨年の12月に撮影した写真です。
田んぼの中には水がありませんが、「江」の中にはちゃんと残っていますね!
現在生き物調査を実施している出雲市野尻町では、このような「江」が多く見られます。
「江がある田んぼ」と「江がない田んぼ」それぞれについて調査を行いますので、どれだけの差が出るのか、注目していきたいと思います!